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記事
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-16-3)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-16-2)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-16-1)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-15)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-14-2)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-14-1)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-13-2)
日本兵の証言や被害者の証言、そしてNYタイムズの記事から、日本軍の残虐行為は南京以外でも広く行われ、太平洋戦争中にはインドネシアでもイギリス・オーストラリアの看護婦たちの虐殺もあったことが明らかにされつつあります。 1167 続きを読む
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-13-1)
ドイツではナチの残虐性を追求した小説とその映画(2019)が評判になり、日本でも公開されたのに、南京虐殺の記録を基にした映画(2009)は公開されず、日本の自国の歴史に向き合う姿勢が問われます。 1165 続きを読む
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-12)
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-11)
1937年12月22〜23日の『ニューヨーク・タイムズ』は日本で反戦・反ファシズムの運動をしていた著名人を含む多数の人々を「平和の妨害者」と呼んで逮捕したと、戦争推進の日本政府・日本軍の矛盾を皮肉る記事を掲載しています。 1144 続きを読む
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-10)
1937年12月21日の『ニューヨーク・タイムズ』社説が日本の将来を予想しています。
『ニューヨーク・タイムズ』のパナイ号爆撃報道9日目:1937年12月21日続き(注1)
- 「アメリカ人が中国で逃避中に立ち往生—女性と子どもたちが漢口から逃避中に揚子江上の防材で引き返す—日本は攻撃続行—ロンドンは新首都に安全地帯を求める—香港は不安」:AP通信、上海発、12月21日(p.19,「中国からのクリスマス・カードでサンタが戦闘地帯上空を翔んでいる」というキャプションのクリスマス・カード掲載)
- 「合衆国軍は中国に留まるとハルが言った—現在の緊急事態では軍を撤退させないと上院議員に伝えた」:ワシントン発、12月20日(pp.1, 19)
現在の特殊な状況下で自国民の生命と財産を守る方法を主要列国は中国政府の承認のもとに作成し採用している。例えば、現在でも治外法権の管轄区があり、それに付随するものがある。アメリカ国民もその他の国の国民も数世代前に中国に行って、様々な職業その他の活動で暮らしてきて[訳者強調]、中国の状況の中で特権もあれば、不利益な面もある。アメリカ政府は他の国の政府と共に、様々な権利を受け、結果として様々な義務も負っている。現在のような状況が続く中で、彼らは突然この地を捨てることも、過去と切り離されることもできないし、アメリカ政府も義務と責任を捨てることはできない[訳者強調]。 アメリカ海軍の船と上陸部隊の小規模な分遣隊は、アメリカ国民の生命・財産・活動が影響を受けるような、特に地域的混乱や認定されていない暴力[訳者強調]から彼らを守り、秩序と安全を維持するために中国に駐留している。これらの船と部隊はどんな意味でも攻撃の任務に当たったことはない。アメリカ政府の長い間の希望と予想は、彼らの適切な機能が必要なくなったら、撤退させることだった。2,3ヶ月前に我々は撤退に好都合な時が近づいたと思った[訳者強調]。しかしながら、今はその撤退を実行する時ではない。
- 「斎藤[駐米大使]の話が批判された—コナリーは斎藤のラジオ談話は政府から承認を得るべきだったと言った」(p.19)
- 「日本の団体がパナイ号『救済』基金を支援」:東京発、12月20日(p.20)
- 「日本が南京を攻撃する光景」[写真2枚掲載:燃える南京の町からボートで離れる日本軍、南京のアメリカ大使館の敷地内地面に空爆を避けるためにアメリカ国旗を置く人物]
- 社説「中国における日本」(p.22)
日本が中国で追及するのは利益を生むマーケットではないのか?
これを信じる理由はいくつかある。少なくとも陸軍の作戦が中国で始まって以来、日本のあらゆる派閥が戦争感情で一致団結して以来、中国で何を追求するのかの適切な政策に関して、国民の意見と陸軍の意見の間に深い溝が広がった。日本が中国で何を必要とするかは何よりも日本製品にとって利益を生むマーケットだという事実を理解して、先見の明のある東京の文民リーダーたちは昨夏、賽が投げられる前は、和解政策を支持し、中国の親善を意図的に培おうとした。彼らのアドバイスは破棄され、日本の中国政策は実際は陸軍によって決められたことはその後の出来事の経緯から明らかである。 しかし、今上海からのニュースで現れているのは、陸軍自体の内部で長い間潜在していた闘争—伝統的な保守系の意見と昨年クーデター未遂事件を企んだ、いわゆる青年将校派閥の意見との分断—が中国を侵略した陸軍の規律に影響を与え始めていることだ。この場合、90万人もの部隊で青島、漢口、広東という広範囲を目的にした大規模な作戦が、揚子江で起きたような事件に似た事件が起きることに繋がることを恐れる理由は、なおさら今以上にある。日本の中国政策の3つのリスク
日本が現在追求している政策には、散在する中国軍部隊との遭遇という問題とは全く別に、日本にとって疑いないリスクが3点ある。最初のリスクはパナイ号沈没のような「事件」(原文強調)がもっと起きる可能性だ:外国に対する直接的侮辱はこれらの国々で憤りが徐々に高まりを生むのは必然だ。 2番目のリスクは日本政府の財力が陸軍が政府に課する巨大な事業に耐えられないことを証明するだろう。3番目のリスクは、たとえ最初の2つのリスクがうまく避けられたとしても、最終的に日本製品にとって不可欠なマーケットを破壊することで、取り返しのつかない被害を自らにもたらしたとわかるだろう。この関連で我が社の上海特派員の最近のコメントを思い出すのがふさわしい:戦争が長引けば長引くほど、破壊が大きくなり、中国通貨が完全に崩壊する日が近づき、日本にとって中国での好機はどんどん少なくなると戦争の最後に分かるだろう。[訳者強調](中略)日本が求める鉱山と自然資源の開発は現実的に不可能だ
日本の軍閥は中国マーケットをほとんど失っても、新たな「傀儡」[原文強調]政府[複数形]が立ち上げられた地方の鉱山と自然資源を日本が開発することで相殺される以上[の利益]だと希望しているのは明らかだ。しかし、この種の開発は途方もなく高いビジネスで、おそらく追い詰められている日本政府自体の力の及ばないことだ。そしてこのビジネスは外債という形の財政援助を必要とする。このような援助を日本はおそらく得られない。なぜなら、外国政府は満州の傀儡政府を意図的に承認していないのだから、万里の長城の南の傀儡政府を承認する、または、新たな「独立」(原文強調)政府にローンを認めると信じる理由は全くない。 我々の場合は、もしアメリカの銀行やわが国の商業的関心が、日本が中国国民から盗んだ資産の持続を確かなものにする行為をアメリカ国民が許すと、日本が一瞬たりとも信じるとしたら、日本はこの状況を酷く読み違えているのは確かだ。『ニューヨーク・タイムズ』のパナイ号爆撃報道10日目:1937年12月22日(注2)
- 「日本が英首相から警告—チェンバレンは強硬— [数々の]挑発によってロンドン[政府]の忍耐の限界がくると言った—誠実さの証拠を示せ—中国に戦艦を送れと自由党が求める—労働党はボイコットを主張」:ロンドン発、フェルディナンド・クーン・Jr.、12月21日(pp.1, 12)
イーデン氏は、戦争準備としての制裁でない限り、いかなる制裁の考えを否定するとはっきり述べた。(中略)野党労働党党首のクレメント・R. アトリー(Clement R. Attlee: 1883-1967)は日本による英国とアメリカの戦艦攻撃は満州国併合直前に日本がロシア船を攻撃したことに「不吉な類似」(原文強調)があると主張した。「香港が本土から切り離され、上海は遺棄されるかもしれない」と予想して、英国政府は日本を抑止することに失敗していることに「政府自身の過去の行動の結果を得ている」とアトリー氏は政府を非難した。 野党党首は、日本が外国船を攻撃したのは、「その結果どうなるかを見るためで、中国内のその他の人たちの生命・財産・権益を完全に考慮していない」と言った。「日本はまるでフランコ将軍[原文注:スペインの反乱リーダー]のように振る舞い、英国商業はスペインの女子供と同程度にすぎない。日本は極東のヘゲモニー[覇権]を欲しているのだ」と言った。アトリーは国際連盟の権利と義務は「中国が侵略と戦うことを支持することだ」と締めくくった。続きを読む「スティムソンは戦争国民投票に反対—ラドロー計画は国家の防衛システムを破壊すると主張」(p.1) 「中国は楽観的;ソヴィエトが援助—ロシアは外モンゴルが日本と戦争したら外モンゴルを援助すると見られている—山東省は侵入者を追い立てた—数万人が攻撃を恐れて青島、広東、漢口から避難」:ハレット・アベンド、上海発、12月22日(pp.1, 15) 「フランスは極東の地位を維持—権利を守るが戦争は避ける—西洋の威信運動に参加する用意」:P.J.フィリップ、パリ発、12月21日(p.13) 「白人支配の終焉を見る—スヴェン・ヘディンは日本が間もなく東洋を支配すると言う」:ストックホルム発、12月21日(p.13)
日本の中国侵略と世界を揺るがしたジンギスカンとティムールの征服を比較して、スウェーデンの有名な探検家スヴェン・ヘディン(Sven Hedin: 1865-1952)は昨夜こう言った。「極東の白人種の統治はまもなく確実に終わる」。中央アジアの権威であるヘディン博士はスウェーデン王立アカデミーの講演で、最近の出来事は「警告だけでなく、白人の重荷[white man’s burden: 植民地を支配する白人の責任]がやる気のある日本にすぐに取って代わられるという最終信号だ。これがヨーロッパにとってどんな結果をもたらすか誰にも予想できない。世界全体が戦争精神異常の影響下にある。行き着く先は人類を目隠しのまま地獄に向かわせるようだ」と述べた。「上海は日本の動向に不安—過激派は中立国に対する敵意から問題を起こすと予想される—パナイ号審査は終了間近—海軍の船とその他のアメリカ船3隻の中国人生存者が病院に到着」:上海発、12月22日(p.15, 「東京部隊は無罪放免、原田熊吉少将」というキャプションで、原田少将の写真掲載)
上海の中立国の高官は日本政府と揚子江地域の日本陸軍の過激派が優勢になったと信じている。中国に対して更なる懲罰的措置が必要だという東京の宣言は上海-南京地域の陸軍司令官である松井石根大将の中国を和平交渉に誘おうとする努力とは奇妙に矛盾する。中立国の旗と資産に対する侮辱の後の日本の態度のせいで不安が増している。悔い改めなしの謝罪、適切な保証なしの謝罪は急速に愚弄になっている。正式の昔ながらの国際間のエチケットは馬鹿げたものにされ、風刺漫画家の題材にされている。 パナイ号と蕪湖事件、英国砲艦レディーバード号の砲撃の責任を転嫁しようとする橋本欣五郎大佐、南京獲得後の権限の分裂、規律の崩壊などは命令をどの軍が実行するのか、どの軍が混乱を起こしているのか見極めることを難しくしている。「上海に秘密が指令された」
パナイ号砲撃と英国砲艦への攻撃の影響が広がることに驚いて、日本当局は上海の公式報道官にこれらの事件について話すことを禁じた。今朝、パナイ号と蕪湖攻撃に関するニュース全ては今後東京からのみ発せられると発表された。これらの事件に関する調査は上海の松井大将の司令部で行われるのに、全報告書は極秘として東京に送られる。 橋本大佐、または陸軍の上級将校がこれらの事件の処罰として東京に召喚されたか、または日本海軍が三竝貞三少将を解任したようなことを陸軍もするのかという質問に、陸軍報道官は全く知らされていないと言った。12月12日の嘆かわしい出来事の責任が橋本大佐に決定されたのか質問すると、報道官は「そうだとも、そうじゃないとも私は言える立場にない」と言った。 現在、橋本大佐を放免させるために、彼は大将に南京に最終攻撃を命じられ、命令に従っただけだと発表するのだろう。もしこの政治的戦略が採用されたら、多分この大将は最終的な勝利の攻撃の栄光と軍事的名誉を剥奪されることを意味するが、それはまたその後の大量処刑、略奪、強姦に対する世間の非難から守られることになるだろう。 筆者は今朝、日本の公式報道官の一団に橋本大佐が12月12日と13日に南京全体の司令部からの命令で動いたのか、それとも、蕪湖地域で独立の命令を発する権限を持って彼独自の決定をしたのか質問した。答えは大将の名前は発表できないし、橋本大佐の権限がどの程度かも明かすことはできないというものだった。 12月12日に太湖を基地にしていた飛行機がパナイ号を爆撃したのか、その飛行機が橋本大佐の命令で飛んだのか、または海軍が南京と蕪湖の間の揚子江上の船全てを無差別爆撃するよう命じたのかという質問に、報道官は「陸軍が海軍に、南京から多くの中国船が逃げたと伝え、それを爆撃するよう依頼した。海軍が命令を出し、この依頼を実行するよう命じた」と答えた。(中略) 驚くほどの独創性のなさで、日本が立ち上げた北平の暫定政府は満州国によって大昔に陳腐にされた方法と無用の言葉を散りばめた言語を使っている。北平レジームは「日本政府に新国家が産業、財政、文化、外交問題に対処するために日本人アドバイザーを推薦するよう熱心に依頼している」(原文強調)。この必然の成り行きとともに来たのは、新たな東京の報道で、東京は北平レジームを正式に承認するという。これは中国政府を和平交渉に強制させるための脅しだと信じられている一方で、ここ上海ではもし和平が遅れれば、日本はこの脅しを実行すると認識されている。「合衆国は中国に感謝」:AP, 漢口発、12月21日(p.15)
合衆国大使ネルソン・T.ジョンソンは国務省を代表して、中国政府に日本によるパナイ号爆撃の生存者を救助してくれたことを感謝した。
英米に伝えられた攘夷の日本(6-7-4-9)
パナイ号・レディーバード号事件の調査に東京から来た中佐と上海の陸軍武官の証言の違い、前言の撤回などの混乱状態が『ニューヨーク・タイムズ』で報道されます。
出典:国立公文書館アジア歴史資料センター(注1)
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『ニューヨーク・タイムズ』のパナイ号爆撃報道9日目:1937年12月21日(注2)
- 「東京の軍国主義者たちは合衆国が要望した保証を遅らせた;将官は部隊を弁護—日本の少将はパナイ号を非難したが、反駁の最中に撤回—陸軍報道官がついに[米国の]砲艦は東京部隊を砲撃しなかったと認めた—彼は機銃掃射した陸軍を無罪放免にした」:ハレット・アベンド、上海発、12月21日(pp.1, 20)
「橋本について回避」
この件の当事者、橋本大佐について身元確認を尋ねられると、原田少将は渋々、名前は欣五郎だと言った。この橋本は1936年2月の東京の反乱に関係した橋本かと尋ねられると、原田少将はイエスもノーも言うことを拒否し、この種の件について勝手に話せないと言った。原田少将の側にいた西義章(1898-1943)中佐が紹介された。パナイ号・レディーバード号暴挙を調査するために東京から飛んできたという。彼は昨夜遅く南京から上海に飛行機で戻ってきたが、「パナイ号が実際に日本陸軍部隊に3発の大砲を撃ったかは疑わしい」という新たな証拠を得たと言われている。原田少将は個人的にはこの点で非常に疑わしいと思い始めていて、西少佐が同意してくれたと言った。質問が鋭く畳み掛けられると、西少佐は突然立ち上がって、刀を取り、帽子を掴むと、東京行きの飛行艇に乗らなければならないので失礼すると言った。 西少佐は調査結果を説明する前に、彼の話は非公式であり、純粋に個人的意見だと断った。パナイ号が日本部隊に砲弾を撃ったという告発について、その部隊の指揮官の報告では「3発上空で聞こえ、砲弾が飛んで行くような音だったが、続いて爆発の音がしなかったというので、パナイ号からの砲弾についての指揮官の印象は正確ではないと自分は思う」と西少佐は言った。「原田は西を否定」
西少佐は去る前に、パナイ号が機銃掃射されたという非難は事実ではない、なぜなら、陸軍部隊のランチには重機関銃はなかったからだと主張した。しかし、西少佐が行ってしまってから、原田少将は鋭い質問をされると、ランチの日本兵たちは軽機関銃を持っていたと認めた。 原田少将も西少佐も、陸軍部隊がパナイ号に乗船する前に爆撃されたスタンダード石油のタンカー2隻の身元は知っていたし、アメリカ人の負傷者を救助したから、パナイ号がアメリカの砲艦だと完全にわかっていたため、パナイ号に乗船する前にパナイ号を機銃掃射する動機は全くないという主張を強調した。 昨晩の原田少将の報告は矛盾と食い違いに満ちていたので、橋本大佐をかばうためだとみなされる。筆者が最も確かな筋から聞いたところでは、日本陸軍のランチ[複数]は12月12日日曜の午後1時に蕪湖を出て、これらの船はアメリカのすべての証言によるとパナイ号を機銃掃射した。したがって、筆者は昨夜の記者会見で原田少将に尋ねた:この不慮の出来事は橋本大佐が認めた揚子江上のすべての船を砲撃せよという命令のもとに行われなかったのか。すると、会見にいた日本陸軍・海軍・大使館の代表者、9人の日本人全員が仰天した様子を見せた。原田少将はこの質問には現時点では対応できないと答えた。 同じ確かな筋によると、パナイ号事件全体の責任は海軍ではなく、日本陸軍にあるという。この事情は以下の通りだ。 問題の飛行機は上海所属でも海軍の空母所属でもなく、無錫(Wushing)近くの太湖(Lake Tai)を使っており、川を北に逃げる中国軍を邪魔する作戦を陸軍と共にするよう命令されていた。12月12日朝、彼ら[飛行士]は陸軍から蕪湖と南京の間の揚子江上の船全てを爆撃せよと命令を受けた。海軍の飛行士たちは大胆にこの命令に抗議したが、命令が厳しく繰り返されたので、従った。この事実は原田中将の調査では完全に無視された。飛行士たちに命令した陸軍将校の名前ははっきりとは確定しなかった。しかし、英国砲艦レディーバード号を4回砲撃した後、蕪湖で砲台の照準を船にあてろという命令を下したと橋本大佐がレディーバード号の司令官に認めたやり方と同じだ。「陸軍に代わって謝罪」
もう一つの奇妙な展開は、昨日の午後3時ちょっと前に原田中将が合衆国海兵隊のジョン・C.ボーモント(John C. Beaumont)准将を訪ね、パナイ号事件における日本陸軍の参加について深い遺憾と謝罪を表明したことだ。ボーモント准将との会話の中で、原田中将は日本のランチがパナイ号を機銃掃射したことを否定しなかったが、彼の謝罪と遺憾の意は暗黙のうちに罪を認めたことになる。他の公式ヴァージョンは陸軍は無罪だとみなしている。この種の矛盾について、上海の全外国官界の印象と感じ方では次のような見方が深まっている:日本政府は戦場の陸軍に対して、はっきりとした権限を確立する課題があり、明らかに[日本軍が]思い通りにするようになっている(訳者強調)。[中略:この後、非常に長く日米の主張を紹介] パナイ号が日本陸軍部隊に砲撃したという告発に関して、『ニューヨーク・タイムズ』のジェームズ・ソン(James Soong)が撮影した沈没してゆく合衆国砲艦の写真がパナイ号の2台の3インチ銃の位置をはっきり示している。海軍の人間なら誰でも一目でこの銃が発射されていないことがわかる。- 「東京は回答を遅らせる」:ヒュー・バイアス、東京発、12月20日(pp.2, 18)
「日本軍を満足させなければならない」
これらの躊躇は外務省がワシントンを満足させる意思がないことを反映しているのではなく、陸軍と海軍に受け入れやすくする方法を編み出す困難さを反映している。日本軍はパナイ号が沈没し、英国艦船4隻が攻撃された不運な日の出来事を説明するのに、大きな困難を経験している。陸軍と海軍の中国司令部からいまだに報告書が届いている。これらの報告書には一致させなければならない矛盾が頻出している。 東京の当局はレディーバード号砲撃の責任者だった橋本欣五郎大佐からの声明をまだ受け取っていない。彼は蕪湖を出て、審問は彼に届いていない。パナイ号事件に関する膨大な報告書が今日ようやく上海から外務省に届いた。 東京で今主張されているのは、海軍の飛行士がパナイ号と同じ場所で日本陸軍のランチの兵士たちが懸命に日の丸を振ったのにランチを爆撃したことだ。パナイ号に乗船した[日本]兵が沈没するパナイ号の乗組員に発砲したことは、日本の審問ではまだ確定していない。「詳細は国民に秘密にされている」
この事件の不吉な側面は日本国民には完全に隠されている。「衝撃的な事実」(原文強調)と呼ばれることは、陸軍のランチが友人である海軍の飛行士に爆撃されたことが暴かれないことだ。日本国民が知っていることは、ただアメリカの砲艦が沈没し、英国船4隻が戦闘の最中に誤って砲撃されたことだけだ。三竝貞三[Keizo Mitsunamiと名が間違ったローマ字化]少将の召喚はまだ隠されており、6人の飛行士が軍法会議にかけられたという上海からの噂は確認できていない。 この事件の説明が発された命令が川で動いているものすべてを攻撃せよというものだったか、飛行士と兵士たちが戦闘で興奮していたので、中立国と敵との区別ができなかったのか、あるいは、視界が悪くて彼らが判断できず闇雲に攻撃したのかという疑問に、東京に届いた情報は今のところ答えていない。「広東[攻撃]の計画」
[前略:日本軍が次に広東攻撃に向かうという予想について] 宣戦布告の問題がパナイ号事件で再燃した。宣戦布告した戦争状態だったら、日本陸軍と海軍の作戦は国際法のもとで行われていたはずであり、それは地域の外国戦艦すべてを支配するものであったはずだと指摘されている。- 「天皇との会議はなし」:AP通信、東京発、12月20日(p.18)